投資と税金の深い関係

NISA

投資にかかる税金って?

  原則として、投資の利益には税率20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315%+ 住民税5%)の税金がかかります。(日本の場合)

  そして、利益が確定した都度支払うのは、投資の取引において【特定口座(源泉徴収あり)】で投資を行っている場合となります。「特定口座(源泉徴収あり)」では、投資信託や株の譲渡益などの利益が口座に入金される際に、税金分があらかじめ差し引かれます。(源泉徴収とは、利益や配当などから税金を差し引いて入金すること)一方、一般口座】、または【特定口座(源泉徴収なし)】を利用している場合は、翌年の2~3月の確定申告時に、自分で1年分の税金をまとめて支払うこととなります。

  今回は、おそらく投資初心者の皆様が投資先として選ぶであろう『投資信託』で得られる利益と、そこにかかる税金について説明します。投資信託には、大きく分けて定期的にもらえる「分配金」と売却(解約)時に発生する「譲渡益」の2つがあります。

  分配金とは、投資信託の運用によって得た利益を、決算ごとに投資家たちに分配するお金のことです。どのくらい分配するかは、それぞれの投資家が保有する投資信託の口数(投資信託の取引単位)によって決まります。なお、分配金はさらに「普通分配金」と「特別分配金」の2つに分かれており、それぞれ分配の仕組みや税金のかかり方に違いがあります。普通分配金は、運用によって得た利益を投資家へ分配するお金のことです。普通分配金は運用によって得た投資家の純利益なので、課税対象となります。特別分配金とは、価額が決算前より決算後(分配金支払い後)に下回っている場合、その下回った部分を投資家へ戻されるお金のことです。特別分配金は運用によって得た利益ではなく、元本の一部を投資家に払い戻す仕組みなので、非課税となります。

  次に譲渡益とは、投資信託を売却(解約)した際に得られる利益のことです。売却時の基準価額が購入時の取得単価を上回った場合、それは純利益となるため、課税の対象となります。一方、投資信託を売却した時の基準価額が取得単価を下回った場合は損失となるため、課税の対象にはなりません。

  そして、投資に取り組んでいる方々はもちろんご存知かと思いますが、昨今はNISA(少額投資非課税制度)を利用して取引をすることで、投資の利益に対する税金をゼロにすることが可能です。NISAには、成年が利用できる一般NISA・つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。(2023年7月時点)それぞれの【NISA口座】で、所定の購入限度額の範囲内で購入した株や投資信託から利益が生じても税金は課されません。

松井証券のポイントプレゼントキャンペーン

海外における投資に対する税金

  前述の通り、日本では20.315%の税金がかかることが分かりましたが、海外の投資に対する税制度はどのようになっているのでしょうか。主要4カ国を見てみましょう。

  まずアメリカは分離課税で、税率は「0%、15%、20%」の3段階です。給与所得、配当所得、キャピタルゲイン(保有期間1年以上)の順に所得を積み上げ、それぞれの所得ごとに適用税率が決まります。州・地方政府税については、地域によって税率が異なります。また、保有期間が12ヵ月以下の場合は総合課税となり、「連邦税10~37%+州・地方政府税」がかかります。

  イギリスでは分離課税で、税率は「10%、20%」の2段階です。給与所得等、利子所得、配当所得、キャピタルゲインの順に所得を積み上げ、それぞれの所得ごとに適用税率が決まります。加えて、非課税限度額が設けられており、土地等の譲渡益と合わせて年間12,300ポンドまで非課税となります。

  ドイツでは分離課税で、基本的に申告不要です。税率は約26.375%で、【所得税25%+連帯付加税(税額の5.5%)】となります。ただし、資本所得と他の所得を合算したときの適用税率が25%以下の場合は、申告によって総合課税も選択可能です。申告の結果、総合課税が納税者にとって不利になる場合は、税務当局において申告はなかったものとされ、26.375%の源泉徴収税のみがかかります。

  そして、最後にフランスでは、分離課税と総合課税の税率を比較して有利なほうを選択できます。税率は、分離課税が30%(所得税12.8%、社会保障関連諸税17.2%)、総合課税が17.2~62.2%(所得税0~45%、社会保障関連諸税17.2%)といった形になっています。

(出典)財務省 「金融・証券税制に関する資料」(主要国における株式譲渡益課税の概要)

株歴50年超のプロが今、買うべきと考える銘柄
『旬の厳選10銘柄』シリーズ最新号公開中!

最後に

  このように、せっかく長期投資を行い、複利効果で資産が増えてきたとしても、税金の事を考えなかったがために思いもよらないマイナスを被りたくないですよね?そのため、投資を行なっていく際は税金にことも頭にしっかりと入れながら、投資初心者の方はNISAやiDeCoなどを活用して資産運用を始め、一つずつ経験を重ねていくことが大切となります。

  ※投資にはリスクがあります。必ず投資者自身の判断と責任において行ってください。

大人の金融勉強会

タイトルとURLをコピーしました